「シロアリ」も生き物。「共存共栄」と思ったら優しくなれるかも?

ついに梅雨が来ました。もうすぐ初夏を迎えようとしています。生物は、恋の季節でもあり、一斉に活動し始めました。

住まいで、とても気になることのひとつに、「シロアリ」があります。知らずにいたら、家の土台、柱が蟻の巣になったとか?特に空き家が多くなり、最近ではシロアリの被害が多発しているとのことです。

そこで今回は、害虫と言われている「シロアリ」についての習性や対策などをまとめました。参考にして頂ければ幸いです。

シロアリは、害虫でないかも・・・

シロアリについて、「ウィキペディア・フリー百科事典」によると、シロアリ(白蟻)は、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科、あるいはシロアリ目の昆虫の総称のようです。(アリと言っても、ゴキブリに近いんです)主に植物遺体を食べる社会性昆虫です。熱帯から亜寒帯まで、陸上のほとんどの地域に分布しております。

いわゆる蟻塚のほとんどは、シロアリによって作られているようです。日本のシロアリは、ヤマトシロアリ、イエシロアリのような下等シロアリとキノコシロアリのような沖縄以南に分布する高等シロアリがいるようです。家屋に被害を与えるのは主に下等シロアリのようです。

木造家屋などに棲みつき木材(場合によってはコンクリートやプラスチック、動物の死骸なども食い荒らすことも)を食い荒らす害虫として忌み嫌われていますが、自然界においては、セルロース(木や落ち葉)の分解に携わる重要な働きを持つ生物です。近年ではシロアリの消化器官内の共生菌によるセルロース分解プロセスがバイオマスエタノールやバイオガスの製造に役立つ事が期待され、研究が進められているようです。こうなれば、害虫ではありませんよね・・・?

シロアリも人間も地球の生物です

よくよく考えて見てください。地球が出来たとき、人間よりも先にシロアリがもういたんです。また、家を建てようとした土地には、すでに土の中に先に住んでいたのです。人間が無断で占領したのではないか・・・とシロアリさんの気持ちでお話ししました。
つまり、この土地に住まわしてもらっているという気持ちになったら、シロアリさんに対して毛嫌いではなく「共存共栄」ということになりませんか・・・?まあ、それはなりませんよね~・・・。

ちょうど梅雨時の季節は、シロアリも活発に動き出す時期でもあります。通常シロアリは、土の中に生息していて、地面から住宅へ侵入して来ます。シロアリは太陽光線(紫外線)を嫌うために、土の部分から、蟻道と呼ばれる土のトンネルを作って、建物の基礎の外側から進入して来ます。特に地面から建物の土台(木材で出来ている部分)に向かって、基礎に土で出来た塊がある場合や床下で土の山が築かれている場合は侵入されやすいため要注意です。

もし木材の割れ目に土が詰まっていたりしたら、これはもうシロアリの仕業と考えられるでしょう。発見が早ければ、それだけ被害を少なくすることが出来ます。

では、どういう条件の場所にシロアリが出やすいのでしょうか?

  1. シロアリは湿気を好みます。床下などは風通しや排水を良くして、乾燥している状態に保ちましょう。
  2. シロアリは枯れ木や落ち葉の溜まっているところに巣を作ります。たとえば、家の庭に大きな木や、落ち葉がたまっているようなところがあるとか、隣に大きな森や林があるとかです。このような場所では、条件的にシロアリが近づいて来やすい環境なわけです。

    では、新しい分譲地で、周りには家ばかりで、近所にも整備された公園しかなく、庭にも落ち葉がたまるようなところはないところなら安心!!と、言いたいところですが、実はそうとは言い切れない場合もあります。どういうケースかというと、新しい分譲地でも、土地の造成の際に、山や丘を削った土地ならば良いのですが、低地や池などを埋め立てた土地ですと、そこを埋めるための土はどこからか持ってくるわけです。その土はどこから来るかというと、山や丘を切り開いたところから来るわけです。そうなると、その土の中には、山の中の森や林にいたシロアリが入っているわけですね。
    そうなると、新築なのに、家の下の土の中には、シロアリがいるということになります。ですから、新築でも、条件によっては5年間ぐらいは注意が必要になります。こういう知識も持った上で大切な住まいを守りましょう。

薬剤は人間も危険。特に子供に注意

さて、次はシロアリの予防と駆除です。シロアリの予防には、有機リン系の溶液を散布するのが一般的です。これはシロアリから建物を守るには確実性の高いやり方ですが、シロアリの防除効果と薬剤の安全性とは反比例しています。つまり、防除効果を高めると、そこに住んでいます人間、子供たちには健康被害のリスクが高くなります。予防駆除の観点から考えますと、薬剤を散布する以外に、薬剤の飛散を少なくするためシート状にして、床下や建物周りに埋めてシロアリを寄せ付けない方法もあります。また、駆除薬剤をエサに含ませて、シロアリに与えることにより、巣を死滅させる方法などもあります。つまり、シロアリの駆除イコール強い薬の散布オンリーではありません。シロアリの被害と健康被害の両面から条件に合った方法を専門業者とよく相談したうえで、最良の方法を選ぶことが必要です。

また、毎日の暮らしの中でシロアリに入られていないか定期的に検査することも、シロアリから家を守るうえで最も重要なポイントです。最近の駆除剤として、人間や犬、猫などペットには害のない「ホウ酸」防除というのもありますので、工務店さんに相談してください。

侵入されない対策、十分に検討を!

最後に、住宅の回りを確認しながら、シロアリが侵入しづらい対策について考えたいと思います。

シロアリは、湿気を好み光や風を嫌い、その栄養源は木材です。シロアリのエサがたっぷりあります。あなたの家に入り込むために、地中の巣から地面に何十センチも土の山を作って進入しようとします。それを防ぐために、建物は風通しを良くし、出来るだけ木材が地面に接触しないようにしてください。例えば、木製の棚などが土に接するように置かれていたりしていると、シロアリにとって絶好のエサ場になりやすいのです。シロアリはこういった木材をエサにして、木材に孔をあけ、通り道である「蟻道」を確保してあなたの家に確実に近づいていきます。また、建物周りに置いてあるものが栄養源でない場合にも「蟻道を造ります」ので発泡スチロールの箱などをプランター代わりにしている方は「蟻道」に利用されないよう注意が必要でしょう。

設備の裏側に注意。蟻道を水道水で壊すことが大事

簡単な防蟻方法は、シロアリは布基礎から「蟻道」を造って土台へ侵入しますので、常に基礎回りを巡回して蟻道がないか確認することが大事です。特に給湯器、エアコンの室外機の回りなどは、基礎と接している場合が多く、しかも冬でも暖かいことから、要注意箇所です。蟻道を発見しましたら、水道水で壊すことです。また、同じところに造る可能性が高いですので、常に注意をしてください。簡易的ですが、人間にも地球にも優しい駆除方法です。お試しください。

株式会社シンホリ

佐藤寿也

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