オープンハウスでは日に30~40組のお客さんが訪れるというバロックさん。仕事が超多忙なはずなのに、お客さんと一緒にサーフィンに出かけたり、イベントをしかけたり、スタッフのみんなもあれこれ忙しいことを楽しんでいるかのようなステキなクリエーターズ集団です。

明日は富士山に行かれるそうですね

ええ、以前、家を作ったお客さんでずっと仲良くしてる人達がいるんですけど、その人たちから誘われたんです。それでスタッフも一緒に、富士山を登りに行くんですよ。山は金華山しか登ったことないんですけどね(笑)。御来光を見て、それからサーフィンして帰ってこようと思ってます。
今夜は別の人達と高山へ飲みに行くことになっていたので、人から見るとハードでしょうけど、ふだんから夜中の2時に起きて静岡にサーフィンに行ったり、帰ってから仕事したりしてるので、全然問題ないですよ。
今日も朝は4時半に起きて家で仕事してました。睡眠時間は4時間半から5時間くらいがベストですね。

昔から何か新しい事を始めようとすると結局こうなる。そして相変わらず私はGORE-TEXという響きに弱い。

スタッフの方たちとも仲がいいんですね

自分自身、前の会社にいた時は会社のことがすごく好きで、会社のために何ができるかを真っ先に考えてやっていました。だから、そういう自分みたいな社員がいる会社っていいなって思ってます。
例えば、バロックという名前は一緒に始めた仲間が付けたんです。スタッフそれぞれが仕事とは別に会社に愛着がわくようなことをしてもらってます。
だから遊びも一緒に行きますよ。家族を置いて行くことになりますが、スタッフも家族と同じようなものですから。実際、嫁さんよりも長い時間を一緒に過ごすわけで、同じ飯食って、同じ遊びをして価値観を共有するっていうのは、きっと何かの役に立つでしょうね。

仕事なんていうのは出来てあたりまえだし、お客さんが喜んで下さるというのは最低限の話なので、それ以上のパフォーマンスが出来るかということが大切。それは、個人能力ですよね。
例えば、サーフィンするお客さんに僕もサーフィン一緒に行きたいですって言えるかどうかです。サーフィンをやったことがなければ言えないじゃないですか、だから何にでもトライしてほしいとは思っていますね。反対に、僕もやったことないことを率先してやっていく、それにスタッフも巻き込んで体験させてあげる。そうすれば人としての幅が広がります。
建築というのは出来てあたりまえ。それ以外の付加価値、それにつきます。

同じ遊びをして価値観を共有するっていうのは、きっと何かの役に立つでしょうね

9月には岐阜駅前で大きなイベントを開催されるようですが

BDW

イベントを仕掛けることは、建て終わった方たちとまた会えるチャンスなんですよね。
引き渡しの時に「また遊びに行きます」とか、「また事務所に行っていいですか」とか言ったりしても、実際にはなかなか会えないですよね。もちろん、家に遊びに行ってご飯を食べさせてもらうこともありますけど。
そういう建て終わった人たちへの感謝の気持ちも込めて、何か楽しい何かを投げれないかなと思ってますし、それをちゃんと受けとめてくれる人たちのためのイベントですね。

それと、お客さんに楽しんでもらう以上の何か、社会的にも面白いことを仕掛けたいです。
何でもいろいろ小難しく言ったり、理屈っぽい人っていますよね。あ~すればこうなるとか、どんどんネガティブになっちゃって何も行動が生まれない。
だからみんなで盛り上げるならポジティブに、変な垣根は取り払って、人と人がちゃんと交流をもってやっていった方がいいかなと思って。

例えば災害が起きると人は心配するじゃないですか。もし、それまで何かわだかまりがあったとしても、それを取り払って手を差し伸べる。でもそれはそういう時じゃないとできないですよね。
そうではなく、普段から人と人が手を取り合って、何かを一緒にやろうよとか、何か助け合おうよとか。だからそれを仕掛けたいと思っています。
楽しいことなら参加しやすいですしね。
9月のイベントには知り合いもたくさん出展してくれますが、今、どんなふうに進んでいるかは知らないんです。途中には興味がないというか。

反省点をどう成功に導くかっていうことに一番興味があるところですね。

仕掛けるきっかけと結果に興味があるから、途中はスタッフに任せてます。もちろん見るに見かねて意見を言うことはありますけど、基本はお任せ。あとは、そこで自分達が何を感じたかが大切だと思っています。
失敗したらくやしいと思うし、成功したらやった!と思うだろうし、そこの結果が気になるだけですね。今年は来年のイベントのための前哨戦です。来年は音楽イベントをやりたいです。まだ準備段階なので、いつになるかはハッキリしないですけど。
今回やってみてどんな結果が出るか、反省点ばかりでしょうけど、反省点をどう成功に導くかっていうことに一番興味があるところですね。

これも建築と同じことです。お客さんとのコミュニケーションです。
バロックでやりたいと思う所に興味があって、最後、すごくいい笑顔でありがとうって言うところに興味があるんですよ。

途中はどうあってもいいんですよ、正直。

だからスタッフの方々がそれぞれの個性でイキイキ仕事してるんですね

例えば、途中でお客さんとすごくもめましたとか、喧嘩しちゃいましたとか、ということもありますが、「めちゃくちゃ喧嘩して相手のことをわかって帰ってこればそれでいいよ」って。分かることに意味があるし、分かれば次に違う言葉が出てくる。反対に、あいつ嫌いだし、あいつなんかもういいわって帰ってきたら、お前は何も進歩しないしダメだよって言います。わかって喧嘩してきたなら、着地さえよければ全然問題ない。喧嘩するなら思いっきりケンカした方が、その仲も距離もグッと縮まるからそれくらいやった方がいいよって。

実は2年くらい前に入院したことがあって、その時にスタッフがお見舞いじゃなくて、毎日仕事のことを聞きに来るんですよ、細かいことまで。それじゃ僕が仕事できなくなったら終わりですよね。

それで、もっとみんながノビノビ出来るようにしないといけないなって気づいたんですよ。みんながノビノビ仕事をして、僕みたいな人間をたくさん作る。そうすれば、バロックという会社が残ります。個人で終わってしまっては、社会貢献にならないですからね。
そして、それがスタッフやスタッフの家族を守ることになります。

喧嘩するなら思いっきりケンカした方がその仲も距離もグッと縮まる

コミュニケーションも大切にされてますね

お客さんは30代の方が多いこともあって、友達感覚で話をしますね。
今って、フェイスブックとかLINEとかで簡単に人とつながるようになっちゃったじゃないですか。それだからこそ、もっと会話をした方がいいし、メールだけのやりとりじゃなくて、打ち合わせは現場でちゃんとした方がいい。それから生まれるものがいっぱいありますから。
コミュニケーションがより大事な時代になったかなと思いますね。世の中がコミュニケーションしている風、つながっている風ですから、もっとちゃんと会って会話をする、納得するっていうのが大事ですね。

人好きなんですよね、そしておせっかい

この前も、たまたま既に家を建てた方の近所に新しいお客さんが家を建てられたから、オープンハウスに来て頂いて、せっかくだから一緒にご飯を食べましょうって誘って2家族一緒に食事に行きました。そういうふうにセッティングすることで新たな関係ができるっていいじゃないですか。
せっかくバロックに依頼してくれた同じような価値観がある人たちだったら、仲がいい方がいいじゃないですか、おせっかいかもしれないですけど。
そうか、わかった! 僕らは「おせっかい」がしたいんですよ。
楽しくしたいおせっかいですね。

それから、お客さんには、施工というものが納得できるように、このパッキンはこういうふうに入っていて、こういうふうだから基礎がカラッとして湿気がないんだよとか、現場できちんと説明するんです。ちゃんと説明されて渡されるのと、説明もなくハイって渡されるのとは全然違う と思いますから。
家を建て終わると忘れてしまうこともあるけど、なんとなくは全部覚えているんですよね。自分の家はどういう人によって建てられ、どんなふうな壁の中身になって出来ているのかっていうのがお施主さんは全部ご自分で説明できるんです。現場で何回も打ち合わせするから。断熱はこうなっててとか、床はこうしてとか、幅木の厚みはなぜこうなのかとか、こうだからホコリがたまらないでしょうとか。それは現場で最低レベルやることですね。

人好きなんですよね、そしておせっかい

それと、お客さんにある程度決めさせてあげる。もちろん全てお任せという人もいますが、大体の人は決めたいと思っているので、僕ならこちらにするけど、どちらにする?とか、決めさせてあげることが家を大事にできるポイントかなと思ってます。

僕のお施主さんは家の説明をちゃんとできるから

最後に施工に対しての想いを聞かせてください

施工は当たり前のことが当たり前にちゃんと出来ていればいいと思っています。
でも、現場に対する思い、職人さんに対してはいろいろあります。同じ志で仕事してる人しか僕は仲間として認めないです。
お客さんに対していいものを納めたいと思っている人です。僕に対して気を使う人はダメです。お客さんに対してこの方がいいんじゃないかって言ってくる大工さん、お客さんのためを思ったらこっちだぞって言ってくるような人じゃないとダメですね。
その人に対してはもう敬意でしかない。上下関係とか抜きにして、お客様に対していいものを作れるチームをわざわざ組んでいるので、そこがチームでなければ意味がない。例えば一人の職人が言った一言でお客さんが気分が悪くなったら意味がない。みんなでお客さんを盛り上げないといけない、お客様からお金を頂いているわけですから。僕が職人さんにお金をあげているわけじゃなく、工務店でもない。その元をたどればお客さんで、お客さんから給料、お金をもらっているわけです。だからそれが出来ない人は仲間じゃないです。

建築はこれが作りたいって思ったものが、ちゃんと出来ればいいんです。

結果、いいものが出来て、大工が満足して、こちらも満足して、お客さんも満足すればいいじゃないですか。
だから、仕掛けることと出来上がったもの、結果が最高のものであったら途中のプロセスはいいんです。そうは言っても行き届かないことばかりですけど。

後日談

残念ながらインタビュー翌日の富士山登山は、悪天候のため8合目で断念されたそう。それでも設計者・お客さんの枠を超えた仲間同士でのこの笑顔! 最高ッス!って声が聞こえてきそうです。

富士山登山

9月のイベントはこの通りの盛況ぶり。ブースは全部で80! お客様や友人・知人そのまた知り合いがつながっての出展数だそうです。家族で来場されているお施主さんたちの笑顔も印象的でした。

9月のイベント

社名

株式会社バロック

住所〒500-8178 岐阜県岐阜市清住町2-10 2F
TEL058-215-0723
URLhttp://www.baroquck.com