エスタコウォールというスペイン製の塗り壁が印象的な家創りをされているプロホーム大台さん。年間24棟しか建てませんと言い切る、その熱い想いをお聞きしたくておじゃましました。
入った途端、ため息が出るような素敵な佇まいのモデルハウスでお話を伺うと、この日はちょうど左官職人さんたちによるエスタコウォールのセミナーが開催されており、その特徴もお聞きすることができました。

物心ついた時から建築一色

物心ついた時から建築一色

もともとは祖父が大工で、父が建設業を営んでおり、私で3代目ということになります。祖父の記憶は無いのですが、父の現場にはよく行っていましたし、小さいころからいつも周りにいる職人さんたちから「お前は 一級建築士を取れよ」とずっと刷り込まれていましたので、抵抗感なくこの道に入りました。そういう環境でしたから、高校の段階から工業高校の建築科に行き、建築の専門学校の間には2級建築士も取ったり、宅建の資格も取ったりと、建築の道一直線ですね。

学校を出て勤めている時は現場監督をしていましたが、設計をしたくて、したくてという想いがあったので、この会社に戻ってすぐ設計を始めました。とにかく、いい建物を作りたかったんです。 「作れ!売れ!」という建築会社だったら継がなかったと思うし、そういうスタイルだったら僕は会社を辞めていたと思います。 父は、30数年前にフランチャイズでローコスト住宅を作っていた時期もありますし、高級なカナダの輸入住宅のモデルハウスを建てた経験もあります。

父は団塊世代で、僕は団塊ジュニア世代。団塊の世代の人は立派な家を望まれますが、ジュニアの時代になるとそういう立派な家が受け入れられなくなってきました。 そんな頃に僕が帰ってきたのですが、ちょうどスローライフとか言われた時代で、ナチュラルな感じの家づくりに変わっていったんです。

ヨーロッパ製漆喰エスタコウォール

エスタコウォールというのは、スペイン産の石灰石が主成分の材料を日本用に成分配合した、とても素晴らしい素材です。 多孔質構造のため断面が呼吸し続けるので、外壁に使用した場合、外気温が高い時は壁面に受けた熱を放熱し、真冬は蓄熱の効果があります。 また、鳥インフルエンザが発生した時などに白い粉を撒いているのをご覧になったことがあると思いますが、あれは石灰で、殺菌効果があるために利用されています。そのうえ化合物を吸着する性質もあります。 エスタコウォールはその石灰石が主成分の壁ですから、室内環境はとてもいい状態に保たれます。さらに、自浄作用があるため、汚れはつきにくく、汚れてしまった場合もメンテナンスが簡単なのも特徴です。

ヨーロッパ製漆喰エスタコウォール

インテリアコーディネーター

僕はすごく恵まれていて、うちのコーディネーターはとてもレベルが高く、キッチンを打ち合わせしたりするのも得意なんです。設計だけじゃダメなんですよ。やっぱりコーディネイトが良くないと。うちは設計者が2人でコーディネーターが3人いますが、コーディネーターがいいんだと思っています。

お客様に説明する時もよく言うんですけど、ものすごくいいお肉があったとしても、紙皿にボンと出されるのと、きちんとお皿に盛り付けてソースがきれいにかかっているのとでは味が全然違うと思うんです。家も同じで、いい設計があっても、コーディネートがうまくいかないと絶対にダメです、と。

お客様には、家具のコーディネートもさせて頂いているので、素敵になりますよね。家具からカーテンから外構のデザインもすべて自分たちでします。

インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーター

建てられてよかったではなく、住んでみてよかった家を作る

やっぱり家は住んでもらってどう感じるかが大切ですから、長持ちする家でありたいし、見た目だけではなくて、耐震性能であったり、断熱性能だったりにもとことんこだわって作っています。
ですから、お客様には見た目だけではなく、性能も大切ですと、数値もお伝えするようにしているんです。見た目はしばらくしたら飽きるかもしれないけど、快適じゃない家だったら絶対に嫌になります。でも快適で見た目も良かったら住めば住むほど好きなりますよってね。

僕らは、建てられて良かったというのではなく、住んで良かったという家を作ります。お客様のご予算に合わせて、建てることが目的になってしまって家を作っているところって多いと思うんです。そのために断熱材や、いろんな素材を落としちゃうことがあると思うんですけど、それはプロとしてダメだと思っています。住んでもらっていい家を提供しないといけない。

プロホーム大台

売り込みは苦手。だから一生懸命いい家を建てる

営業の売り込みは一切しません。というか営業マンは一人もいないです。 オープンハウスの時は、設計士とインテリアコーディネーターと現場監督がご案内しますが、どちらかといえばみんな技術屋ですから、売り込みは苦手、無理なんですね。私たちができることは、説明することです。 当社にとってオープンハウスは、作品発表会みたいなものです。例えばピアノの発表会に出るから一生懸命頑張ってレッスンする。そこで良かったよと褒めてもらいたいから頑張るみたいな感じです。
いい家を作って、いい家を見てもらったら、絶対にお客さんがわかってくれるという想いでやっています。だから、完成見学会では僕たち自身がすごく盛り上がるんです。

OBの方が会いに来てくれるんです

完成見学会ですごいのは、2日間で100組くらいの来客があるのですが、必ず10組くらいの入居済みのオーナーさんが見に来てくれるんです。それが一番うれしいですね。会いに来てくれるんです。

OBのお客様には、年に1回の宮川でのイベントも楽しみにしてもらっています。川をせき止めて鮎を放してのつかみ取り大会です。お子さんが小さいご家族は鮎パーティ、お子さんが育ったOBの方はオープンハウスにいらっしゃるという感じかもしれません。

プロホーム大台

建てられて良かったではなく、住んでみて良かった家をつくる

プロホーム大台

お客様とは、家が建つまでに何回も打ち合わせを重ねますから、とても親しくなります。ニッチをどうしようとか、家具の打ち合わせまでしますから、打ち合わせ回数がすごく多いんです。コーディネーターは最低でも2時間が15回。他に現場でも打ち合わせしますから、合計20回以上は打ち合わせします。だから完成しちゃうと「もうこれで打ち合わせ終わっちゃうの」という感じになるみたいです。

年間24棟って決めたのも、僕も父もそれ以上作るとお客様の顔がわからなくなっちゃう。売る家じゃなくて、お客様の顔が見える家づくりをしたいので、それも考えると24棟、1ヶ月に2棟が限界かなということになりました。住んでいい家を建てたいんです。

年に1ヶ月は、ヨーロッパへ出張に行って、スペインの会社と打ち合わせするほか、いろんな展示会を見てまわったり、いい建物を見て勉強しているという神戸中社長さん。これからもどんな素敵な提案が生まれてくるのかが楽しみです。

取材 2016.5.10

今日はセミナーがありましたのでスーツですが、普段はジーンズにTシャツなんです(笑)

プロホーム大台
社名

株式会社プロホーム・大台

住所〒519-2703 三重県度会郡大紀町滝原447-1
TEL0598-86-3211
URLhttp://www.prohome-odai.com/