どうせやるなら、こういう住宅をやりたいと思った。そう語ってくださったのは、ハウスエナジー株式会社代表・桒原 智昌さん。もともとはハウスメーカーの役員だったという桒原さんが手がけるのは、「6つの快適」をこだわり抜いた注文住宅です。
独立してから、今年で4年目です。ありがたいことに、年間10~12棟ほどの受注をいただいています。ゼロからスタートでここまでやってくることができた のは、やはり口コミの力が大きいと思います。実際に建ててくださったお客様が、さらにお客様を呼んでくださっていますね。
弊社で特に力を入れているのが、現場見学会です。構造・完成時で計2回行います。構造の段階ですでに断熱材は入れてあるので、その快適さを体感して
いただくことができるんです。
例えば30~40坪の家1軒を、12帖用のファンヒーター1つで暖めているだけ、夏場であれば4.5畳用のエアコンだけで冷やします。皆さん「エッこれだけ?!」
とすごく驚かれるので、これは効果てきめんです(笑)。
最後にこのモデルハウスで宿泊体験していただけると、完全に納得していただけますね。先月も4組泊まっていただきましたが、契約率は100%です。僕は現場も営業も経営もやる。図面だけ書いて終わりの設計士ではないので、そういう部分でも信頼いただいているのかなと思います。最初から最後まで、責任を持ってお付き合いさせていただいています。
独立するきっかけの一つは、とにかくハウスメーカーにいては出来なかったことをやりたかったんです。やはり母体が大きい分、方向転換や小回りがきかないので。
また以前勤めていた会社で10年前に建てた自邸のことも、影響していますね。断熱性能は高くしたつもりでしたが、残念ながらまだまだでした。
こういうこだわった家があるということを、業界のプロでも知らないのです。ましてや、一般の方ならほとんど認知度はないでしょう。そこをなんとか伝えていきたい。こうした考え方もあるんだということを、選択肢として持っていてもらいたい。
もちろんコストは高くつく部分もありますが、まず知ってほしいんです。その上で、どこを優先するか、どの工務店にするかはお客様が選べばいい。でも知らないで家づくりしてしまって後悔はしていただきたくないんです。家を建ててしまった後では、どうしようもありませんから。
完成見学会などで、「実は1年前に家を建ててしまった。もっと早く会いたかった」と言われることもあって、本当にやるせない気持ちになります。そういう方を一人でも減らしてあげたいですね。
お客様にご相談をいただいた際は、まず土地を見に行きます。そして近隣の建物もチェックして、それらを立体化することによって日の射し方を計算します。冬場は暖房なしで太陽の光だけでも、室温20度くらいまで上げることができますよ。
共働きや子育て世代のために、洗濯物は室内で干せるようサンルームを室内に作ることが多いです。そこだけは夏も積極的に日光を取り入れます。また朝と夜の風通しが違うこともあるので、データからシミュレーションして設計します。エネルギーは極力使わずに、冷暖房の効率をあげたいですね。
弊社では「6つの快適」で「無敵の家」という家づくりを行なっています。その6つとは、「適温」「適湿」「適圧」「適材」「適光」「適風」のこと。詳しくはぜひ弊社HPをご覧いただけたらと思います。実は独立してから、これが一番やりたかったことです。
お客様は家づくりにかなり詳しい方ばかりで、ご要望に応じてバージョンアップすることもあります。でも上を見ればキリがないのも事実です。その中でも、費用対効果の良さは今作っているものが現状はベストだと自負しています。
「バウビオロギー」という考え方をご存知でしょうか。これはスイス発祥の、建築生物学と呼ばれる概念です。非常にざっくり説明すると、住宅を「第三の皮膚」として扱うという考え方です。私も以前から似たことを思っていた中で、偶然出会って感銘を受けた考え方です。
メーカーさんなどは自然素材に焦点を当てて健康住宅と銘打っているけど、それだけではシックハウス以外に効果が出ません。本当の健康住宅とは、体温・室温・湿度、適度な運動なども必要なはずです。そういう本質的な健康住宅を作っていきたいです。
例えば大型ショッピングモールの温度は一定ですよね。あの温度調整って、実は法律で決まっているんです。にも関わらず、一番基本になる住宅は特に決まっていないのが現状です。これはおかしいなと、ずっと思っていました。
今弊社で作っている家は、エアコン1台で室温をコントロールしています。室内の空気の流れとエアコンの風の流れを考え、空気の動きをシミュレーションして最も効率の良い設計をしています。室内のどこに空気が溜まりやすいか、どうやったら上手にそこの空気を抜けるか。こうした部分を勉強するのは昔から好きで、今でも毎日が勉強です。
ZEH(ゼッチ)もそうですが、これからも住宅を取り巻く環境はどんどん変わっていくでしょう。でも僕は、さらにその先に向かってやっています。例えばこれからは売電よりも蓄電だな、と考 えています。蓄電池の採用も考えていて、電気の100%自給自足を考えています。
取材:2017年3月7日
社名 | ハウスエナジー株式会社 |
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住所 | 〒465-0097 愛知県名古屋市名東区平和が丘二丁目221番 杉本ビル1F |
TEL | 052-769-1550 |
URL | https://house--energy.com/ |