「一生に一度」。住宅を建てる時は、準備が大事。
ここでは、資金計画や構造、工法など以外の住宅の設計、建設、メンテなどについて考えます。
新しい住まいを考えている皆さんには、これから50年、100年という月日の中で、後悔のない住宅づくりをして、快適に生活していただくために、今回はまず色々な住宅会社の特徴から知って頂きましょう。【建設会社を選ぶポイントvol.01】では、「住宅建設を依頼する会社」をまとめてみました。
ハウスメーカー
一般的には、全国的に展開している大手の住宅建築会社の事を言います。住宅を「商品化」したものが多く、TVなどでPRしている会社が多くみられます。住宅の部材の生産から工事、アフターサービスまでシステム化されています。工場生産品のため、品質にあまりムラがないといわれています。
全国で営業所や総合展示場の出展をしており、一度は名前を聞いたことがある会社が多いはずです。人件費、広告宣伝費、モデルハウス維持費など、大きな経費をかけており、平均販売価格は比較的高くなっています。
ハウスメーカーのメリットは、専門の「営業担当者」が常駐していることです。家づくりの相談、建主の希望など随時対応できる事でしょう。営業担当者が多いことから、親身になって相談できる余裕もあります・・・。ただ一方で、営業担当者がすぐ異動になってしまって、対応が事務的になってしまう欠点もあります。
ハウスメーカーの住宅は、システム化されており、そのほとんどは、自社工場または、提携工場で生産された部材を、図面に合わせて現場で組み立てていく方式です。あるいは、木造でもパネル化されていて、現場で組み立てる方式をとっています。その分そのハウスメーカーのカラーがあり、特に外観などは、自由度が高いと言い切れない部分があります。
現場の施工業者は、地元の協力業者会で構成されていて、研修を受講した皆さんが従事しているようです。
工務店
一般的に営業範囲は、地元中心の比較的狭い地域で展開しております。地域に密着した建築会社が多くみられます。規模も比較的小さめの会社が多いようです。そのため、事務所や展示場、広告宣伝費などの経費は、ハウスメーカーに比べて少なく、販売価格も比較的リーズナブルな会社が多く見られます。
一言で、工務店と言っても、社長兼大工といった小規模経営者の会社から、従業員が数百名いる会社まであり、規模には大きな幅があります。「地域密着型」の会社がこれに該当します。
工務店の家づくりのポイントは、やはり「技能力」と言われています。職人としてのスキルを極め、施主の要望を形にする能力は、日本古来からの「大工」としての技を継承している人たちの集団もこの工務店に属しています。
最近は、「技術力」もアップするようになりました。最新の商材や工法などを取り入れ、大手に負けない特色を活かした家を作っている工務店も多くあります。
しかし、従業員が少ないことから、「アフターメンテナンス」や「保証システム」などに各社の差が大きいと聞いています。ただ、近年では住宅瑕疵担保履行法という公的な保険の義務化で、ある程度、安心度が高まりました。
また、一方で知識不足やワンマン経営の会社もあるのも事実で、個人商店的な考えの方も見られます。ただ、大手のハウスメーカー以上に、住宅にこだわり、地域との関わりを大切にし、品質の良い住宅を作っている工務店もたくさんあるので、そのポイントを見極めることが重要になります。
住宅づくりを、まるまるお任せではなく、話し合いや打ち合わせる時間を沢山持って、一緒になって家をつくるという思いが大事になってくるでしょう。
大手住宅会社のようなタテ組織ではなく、社長の「鶴の一声」で、色々な事を迅速に決められ、判断を速やかに出来る大きなメリットがあります。
また、地元密着型ですので、建てて終わりではなく、これから一生のお付き合いとなる関係性を築いて行ける安心感は大きいです。
設計事務所
一般的に、建物の設計や現場の監理をする専門家のことを「建築家」と呼び、その設計、監理を行う国家資格を持っている人を「設計士」と呼びます。そして設計業務を会社として運営しているのが、設計事務所です。最近は、設計事務所が住宅の設計から施工までするところもあるようです。
一般には、施工会社(ハウスメーカー、工務店)とは独立し、設計と工事監理を専門に行っております。
設計事務所は、主に「デザイン力」と「監理力」がポイントになります。工務店にとっては、デザインなどの技術力を補えることから積極的に利用するなど、更には共同展開をしている会社も多くみられます。
特に、建て主が「自分のこだわりの想い」の家を建設したい場合は、設計事務所に依頼するケースも多く見られます。最近では、〇〇設計事務所とのコラボといった企画も散見され、新しい住宅づくりになりつつあります。
デザイン重視のお客様は、設計事務所の設計、意匠を依頼することで建設会社の不足分を補うことが可能です。隣の家とはちょっと違う住宅をご希望の方には、ぴったりではないでしょうか?
分譲住宅のビルダー
一般的に、土地付き不動産系の「建売」住宅販売会社の事を言います。注文住宅のように、家づくりの要望、希望などで家を建築する形態ではなく、土地を最大限活用したリーズナブルな住宅です。土地と建物をセットにした形態になります。
不動産屋さんでの取り扱いが多いのもこのタイプになります。
そのほかに「売建」方式と言って、土地契約後に、家づくりを始めることがあります。ある程度の要望などを聞いてもらえる形態にもなっているようです。その場合、「建築条件付き」と言って、指定建築会社が決まっているケースもありますので口頭ではなく、契約書を確認してトラブルにならないようにしてください。
建売のデメリットは、ある程度の規模で開発を行うため、同じ期間に、同じような形・意匠の家をたくさん建設するため、似たような住宅になることもあります。しかし、メリットとして、資材の購入や工事会社の請負金額を全棟で行うため、比較的安く建てられ、リーズナブルに販売、購入することが出来ます。
最近は、構造や外観の形は変更できないが、居室の間仕切りや仕上げ材、設備などの変更も可能な分譲が散見するようになりました。